第194章

佐藤悟は車から飛び降りると、ドアも閉めずにまっすぐ松本絵里の前に進み出た。そして、彼女の肩を掴み、切羽詰まった様子で尋ねた。

「絵里、大丈夫か? 怪我はないか?」

髪の毛一本すら失われていないかと恐れるように、彼は彼女の全身を隅々まで見回した。

羽鳥空見は呆れたような目で佐藤悟を見て、言った。

「ちょっと、優しくしなさいよ。痛がってるじゃない。ちゃんとここに立ってるし、私が何かするわけないでしょう。何をそんなに心配してるのさ?」

松本絵里も彼を宥めるように言った。

「あなた、私は大丈夫です。羽鳥お嬢さんがドライブに連れ出してくれただけで、とても楽しかったですよ」

自分の妻までが...

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