第203章

 夏本社長が招待してくれた場所は、住宅街にひっそりと佇む隠れ家的なプライベートレストランだった。中村哲也でさえ、以前に一度来たことがなければ、見つけられなかったかもしれない。

 この手のプライバシーが徹底された店は、得てして提供されるサービスの方も行き届いているものだ。そのことに思い至った時には、すでに到着した後だった。中村哲也はただ心の中で、佐藤悟が羽目を外さないことだけを密かに祈るしかなかった。

 入り口の警備員に身分を明かし、案内係に導かれるまま佐藤悟のいる個室へと向かう。

 扉を開け、中の光景を目にした瞬間、中村哲也は松本絵里を連れてきたことを激しく後悔した。

 いっそ自分を...

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