第213章

松本絵里はドキリとした。お爺様がその話題を持ち出した時点で、彼女にはすべてが読めていた。可能な限り羽鳥空見を巻き込んではならない。自分で背負えるものは、すべて自分で背負う覚悟だった。

彼女は後ろめたさからお爺様の視線を避け、少しの間沈黙した後、気まずそうに釈明した。

「悟さんが紹介してくださった専門家の方では解決できなかったので、別の方を推薦していただいたんです。その方はこの件を公にしたくないとのことで、ご自身の身元を明かすことを禁じておられまして」

「何が謎の人物だ? 公にしたくないだと? 我々佐藤家に手を貸すのが、それほど恥ずかしいことだと言うのか! 録音データがまだ残っているだろ...

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