第28章

昼食を終えると、彼らは福祉施設へ寄付セレモニーに向かった。

佐藤悟はようやく理解した。坂田健之が会社の高額な活動費をどこに使っていたのかを。

彼は佐藤グループの名義で福祉施設に大量の物資を寄付していた。医療リハビリ機器から子供たちのおもちゃ、さらには日常の米や油、塩まで、ありとあらゆるものを。

「坂田健之、面白い男」と佐藤悟は思った。

セレモニーはすぐに終わり、この午後の時間は福祉施設の規則を守る前提で自由行動が許された。

松本絵里と高橋桜は小さな子供たちと打ち解けていた。

佐藤悟はすることもなく、彼の氷のような表情は子供たちに好かれるタイプではなかったため、門衛室に座り込み、門...

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