第34章

「桜、別のレストランにしましょう」松本絵里が提案した。

「大丈夫、ここでいいの」高橋桜はまだ少し興奮した様子だった。

「桜、どうでもいい人のせいであなたの気分が悪くなるのは嫌なの」松本絵里は切実に言った。

「そんなことないわよ。むしろ私に会って気分が悪くなったのは彼女たちでしょ。あの武田さん見なかった?白目をほとんど天井まで向けてたわよ、マジで草……」

松本絵里は高橋桜がそれほど影響を受けていないのを見て、レストランを変える話はもう持ち出さなかった。

二人一緒に中に入り、席を見つけて注文した。

彼女たちは武田さんがどこに行ったのか見ていなかったが、高橋桜がウェイターと雑談している...

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