第41章

「坂田常務、坂田常務……」食堂は大混乱となっていた。

佐藤悟は床に横たわる坂田常務を指さしながら、坂田健之に尋ねた。「本当にこのまま続けていいのか?」

坂田健之は冷静に言った。「大丈夫。どうにもならない状況になると気絶するふりをするんだ。いつものことさ」

救急車が到着し、医療スタッフが坂田常務を担架に乗せた。坂田健之はつらそうな表情で言った。「悟、僕、病院について行くよ。演技だとわかってはいるけど……息子として、不孝者と言われるわけにはいかないからな」

佐藤悟は彼の肩をポンと叩き、優しく言った。「行ってこいよ。坂田常務はもう年だ。何を言われても聞き流せ。つらくなったら俺を頼れよ。一人...

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