第42章

松本絵里と高橋桜はまず洗面所へ行き、顔を洗って心を落ち着かせてから、一緒に佐藤裕也の執務室へ向かった。

「佐藤社長、お呼びでしょうか?」

二人はドアをノックして入ると、恭しく佐藤裕也に尋ねた。

佐藤裕也はパソコンの画面から視線を離し、顔を上げて二人を一瞥すると、思わず目を見張った。

さっき社内を一回りしたのに、こんな美人が二人も会社にいたなんて気づかなかったとは。

「自己紹介をしてもらおう…」佐藤裕也は立ち上がり、二人を見つめた。

松本絵里が口を開こうとしたところで、佐藤裕也が制した。「待って、まず私が当ててみる…」

「君は…松本絵里だね?」彼は松本絵里を指差して尋ねると、松本...

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