第46章

坂田健之の助けを借りて、松本絵里と高橋桜は初期のデータをすべて整理し、分類して、きちんとテーブルの上に並べました。

松本絵里は伸びをして、スマホを取り出して時間を確認すると、なんと既に十時半でした。

佐藤悟との九時の約束から、すでに一時間半も過ぎていたのです!

松本絵里は窓辺に駆け寄って下を覗くと、見慣れた黑い商用車がビルの前に停車し、ロービームを点けていました。オレンジ色の灯りが、なぜか温かみを感じさせます。

「坂田課長、桜、彼が下で待ってるから、先に行くね。坂田課長、桜を寮まで送ってもらえますか」

坂田健之がうなずくと、松本絵里はバッグを手に取り、急いでエレベーターへ向かいまし...

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