第48章

「坂田課長、ご飯でもおごりましょう。一つには、プロジェクトへのご尽力に感謝を、そしてもう一つは契約締結のお祝いとして」

高橋桜が提案した。

「いいわね、ちょっと電話して家に連絡するわ」松本絵里が言った。

「はぁ、結婚した人って違うわよね。何するにも電話して報告しなきゃいけないなんて。やっぱり独身が最高よ、好きなことが好きなときにできるんだから」

高橋桜が冗談めかして言った。

「坂田課長もそう思うでしょ?」

坂田健之は冷ややかに言った。

「いや、私は結婚のほう」

高橋桜は軽蔑したように坂田健之の肩を叩いた。「なによ、彼女もいないのに、誰と結婚するつもりよ!」

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