第54章

二日目の朝、松本絵里はぐうぐうと鳴るお腹で目を覚ました。

寝室には彼女一人きりで、佐藤悟はいつの間にか出かけていた。

彼女が起き上がると、腰が折れたかのように酸っぱく痛かった。

しかし、両足の間には不快感はなかった。

ベッドサイドテーブルに置かれた軟膏に気づき、手に取って説明書を見ると、ある部位に使用して事後の不快感を和らげるものだと書かれていた。

松本絵里の顔がさっと赤くなった。

昨夜のある場面が脳裏によみがえってきた……

スーツケースはベッドサイドに置かれていた。彼女は次々と服を着替えてみたが、首筋の情熱の痕跡をどうしても隠せず、結局薄手の長袖インナーを取り出し、スカーフの...

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