第114章 実は彼が跡継ぎ

「まさかこんなに運がいいなんて。こんなにいい席が当たるなんてね」

第二部門の席はちょうど真ん中あたりで、遥姉が一番喜んで、興奮気味に田中唯の腕を揺さぶった。

田中唯もまた興奮していた。本社の年次総会に参加するのは、彼女にとってこれが初めてだった。

やはり支社とは比べ物にならないほど壮大で、こんなに大勢の人が座れるほど広いロビーがあるなんて、今まで知らなかった。

「田中唯」

吉田博文が声をかけにきた。

田中唯はぱっと顔を輝かせ、嬉しそうに尋ねた。「吉田部長? どうしていらっしゃったんですか? 静香は一緒じゃないんですか?」

「あいつはまだ本社の年次総会に参加する資格がないからな。...

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