第118章 足を折ってでも行く

年次総会の当日。

鈴木晶は祖父を支え、壇上に上がって挨拶を述べた。

眼下には黒山の人だかりができており、本来であれば、鈴木晶が誰が誰であるかを見分けられるはずもなかった。

しかし、それでも田中唯が席を立った後、彼女が去ったことにすぐに気づいた。

ただ、彼のスマートフォンは休憩室に置きっぱなしだった。祖父を支えて休憩室に戻ったところで、ようやく着信履歴があることに気づく。病院からだった。

「何かありましたか?」

折り返し電話をかけ、医師に尋ねる。

医師は病院での状況を彼に伝えた。「現在、田中さんが病院におりまして、田中家の方々も皆さんいらっしゃっています」

「……わかりました。...

ログインして続きを読む