第120章 入口でためらう

 やはり心配になったのか、鈴木絵里香がノックをして様子を見に入ってきた。

 すると目に入ったのは、鈴木晶が株主たちと談笑している光景だった。一人ひとりが彼に媚びへつらっており、彼を責める気配は微塵もない。

 鈴木絵里香は驚きの表情を浮かべた。

「吉田社長、これはどういうことですか?」鈴木絵里香が尋ねる。

 吉田陽斗は笑っているのかいないのか分からない表情で言った。「鈴木社長、見事な手腕ですね。これで本当に安心して会社を任せられますよ」

「当たり前でしょう。私の弟ですもの、当然優秀よ」鈴木絵里香は得意げに言った。

 吉田陽斗は顔をしかめ、深呼吸を一つすると、鈴木晶に別れを告げて立ち...

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