第150章 こっそり井上教授に会いに行く

田中唯はスマホを取り出した。鈴木晶が発つ前にメッセージを一つ送ってきていた。

『出張だ。帰る時期は未定』

「どうしよう? 彼が出張に行っちゃったら、電話も出にくくなるだろうし、このこと、どうやって相談すればいいんだろう……」

田中唯はかなり気が滅入っていた。夜、渡辺静香と食事をしながら愚痴をこぼす。

渡辺静香は言った。「あんたが彼に相談する目的って、結局は承諾してもらうことでしょ。どうせ前にも話したことなんだし、今は連絡が取りにくいんだったら、いっそ事後報告にしちゃえば? 先に井上先生に手伝ってもらって、彼が帰ってきてから話せばいいじゃない」

「もし反対されたらどうするの?」田中唯...

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