第204章 故意に彼に策略を授ける

「すみません、田中さん。道が混んでて」

田中唯が到着してしばらく待っていると、太西唯人が慌てて入ってきた。

席に着くなり、彼は田中唯に詫びを入れた。

田中唯は言った。「遅刻は構いません。太西唯人さんが約束をすっぽかさなければ、それでいいんです」

太西唯人は気まずそうに言った。「もちろん、すっぽかしたりしませんよ。田中さんとの約束ですから、必ず果たします。ただ、ここ数日あまりに忙しくて、田中さんとの約束を忘れてしまっていたんです。どうか誤解しないでください。僕は約束を破るような人間じゃありませんから」

「それで、証拠は?」と田中唯は尋ねた。

太西唯人はすぐに資料の入った封筒を取り出...

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