第211章 女優にそっくり

鈴木宏は顔を沈ませ、佐良の問いには答えなかった。

佐良は気まずい思いをさせられ、きまりが悪かった。特に、後ろに同僚たちが座っているのだから、きっと心の中で笑われているに違いない。

そのため、道中ずっと不機嫌で、もう口を開く勇気もなかった。

「どうしたんですか、皆さん? 車酔いでもしました?」

カラオケに着くと、田中唯は彼らの乗ってきた車から降りてきた面々が、一人残らずしょんぼりしているのを見て、思わず不思議そうに尋ねた。

後ろの三人は慌てて首を横に振り、佐良と鈴木宏の方へ視線を送る。

田中唯は鈴木宏と佐良をちらりと見て、合点がいったという表情を浮かべ、急いで笑顔で言った。「とりあ...

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