第221章 彼女を芸能界に招待する

「申し訳ありません、本田監督。母は私がまだ幼い頃に家を出てしまいまして、父は私たちを捨てた母を恨んでいたので、写真を一枚も残していないんです」

 田中唯は気まずそうに謝罪した。

「そうでしたか」

 本田監督は残念そうな表情を浮かべた。

 山崎玲央がすかさず提案する。

「本田監督、とりあえずお座りになってお話ししませんか! 差し支えなければ、そのご友人というのがどなたなのか、お聞かせ願えませんでしょうか? もしかしたら、うちの田中部長と本当に親戚関係かもしれませんし」

「菊地亜美と言います。あなた方はこの名前に聞き覚えはありますかな」

 本田監督は腰を下ろすと、なおも田中唯に視線...

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