第231章 彼女の行方を知っている

「山口大翔、すぐに現金二億を用意しろ」

 鈴木晶はすぐさま山口大翔に電話をかけ、低い声で命じた。

 山口大翔は驚いて問い返す。「社長、何があったんですか?」

「余計なことは聞くな、すぐに準備だ。どんな手を使ってもいい、一時間半以内に揃えろ」鈴木晶はそう言って電話を切った。

 もちろん、彼とて金を用意するという道一本で臨むつもりはない。太西グループをここまで追い詰めたのだ、相手が窮鼠猫を噛む状況になることはとうに予測していた。

 ただ当初は、太西光太郎もせいぜい高飛びするくらいだろうと思っていた。

 しかし、まさか誘拐にまで手を出すとは。

 しかも、攫われたのが田中唯だと?

「...

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