第295章 駆け引き

方城テクノロジーグループの入札成功により、舞台裏の社長であった原口春斗は、華々しくビジネスパーティーに姿を現し。

「細谷……原口社長」

顔見知りが彼に声をかけた。細谷社長と呼びかけたものの、彼の現在の立場を思い出し、すぐさま言い直した。

原口春斗は気分を害すこともなく、勝者とは寛容なものである。「宮田さん、お久しぶりです。また今度、時間がある時に一杯やりましょう」と微笑みながら言った。

「ええ、原口社長からのお誘いとあらば、光栄です」宮田さんは恐縮しきりといった様子で答えた。

その時、誰かが細谷心晴が来たと告げた。

会場にいた多くの男たちが、思わず入口へと視線を向ける。細谷心晴は...

ログインして続きを読む