第302章 正義の反対は、また別の正義

鈴木晶の言葉が終わると、病室にいる人々は皆押し黙り、空気は極めて重苦しいものになった。

山崎玲央はあれこれと皆の顔を見回し、この沈黙を破ろうと、耐えかねたように口を開いた。苦々しく言葉を紡ぐ。

「皆さん、そんなに悲観的にならないでください。良い方に考えましょう。少なくとも、まだ生きていらっしゃるんですから」

鈴木絵里香は彼を睨みつけ、余計な口出しを咎めた。

青木夫人は冷笑を浮かべて言った。

「つまり、当時は陰謀も策略も何もなくて、ただ心変わりした男が愛人と駆け落ちしたかっただけ、ということ?」

「ほら、叔母さんでさえそう推測するんです。僕がそう考えても仕方ないでしょう?」と鈴木晶...

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