第303章 あなたは身分を与えるつもりですか

 外で待っていた田中唯は、鈴木晶が病室から出てくるのを見て、慌てて立ち上がり駆け寄った。

「唯? なんでまだここにいるんだ?」

 田中唯の姿に、鈴木晶は一瞬戸惑い、眉をひそめて訝しげに尋ねる。

 田中唯は答えた。「一緒に家に帰ろうと思って、待ってたの」

 一緒に家に帰る?

 鈴木晶は苦笑した。忘れるところだった、自分はもう大人で、自分の家があるのだと。

「唯、ありがとう」

 感謝を込めて彼女を抱きしめ、礼を言う。

 田中唯は彼の腕の中で大人しく身を寄せた。なぜ彼が礼を言うのか分からなかったが、こういう時は何も聞かない方がいいだろう。

「やっと帰ってきたのね」

 二人が家に...

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