第366章 彼女は、時の流れを感じさせない

小池夫人は携帯電話を持っていなかった。吉川さんが駆け寄ってきて、知夏さんから電話があり、驚いたような顔つきになった。

「本当に私に?」

「はい、知夏さんがお電話に出てほしいと」と吉川さんは言った。

小池夫人は眉をひそめ、立ち上がろうとしたが、すぐにまた腰を下ろし、吉川さんに言った。「忙しくて時間がないと伝えてちょうだい。何か用があるなら、父親か、兄にでも電話させなさい」

「奥様」吉川さんは気まずそうに説得した。「知夏さんはまだ子供ですし、女の子ですよ。女の子が何かあった時に母親に頼るのはごく普通のことです。万が一、旦那様や朝陽さんには話しづらいことだったら、どうやって切り出せばいいん...

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