第396章 危険の中で必死に逃れる

吉岡里奈は振り返り、信じられないといった様子で目を丸くして田中唯を睨みつけた。

 まさか、か弱そうに見え、実際にか弱い田中唯が、自分に手を出す度胸があるなんて夢にも思わなかったのだ。

 しかし、彼女が問い詰める間もなく、めまいに襲われ、目の前が真っ暗になると地面に倒れ込んだ。

「妹ちゃん」

 本田紗奈が叫んだ。

 田中唯は慌てて手にしていた棍棒を地面に投げ捨て、しゃがみ込んで吉岡里奈の鼻息を確かめる。幸い、息はあった。

 そこで、すぐに本田紗奈に言った。

「早く縄を持ってきて、彼女を縛って。いつまで気を失ってるかわからないから、縛っておいた方が安心よ」

 本田紗奈は頷き、すぐ...

ログインして続きを読む