第431章 思いがけない人に偶然出会う

田中唯は切羽詰まった様子で階段を駆け下り、鈴木晶の存在など視界に入っていないかのように、二人に向かって手招きした。

「早く、上に来て!」

あまりの必死さに、中野直也は首をかしげ、晶を指さして言う。

「そいつ見ても驚かないの?」

「驚きます。でも、今はもっと大事なことがあるんです」

中野は晶に肩をすくめてみせ、からかうように笑った。

「だってさ。お前、捨てられたんじゃない?」

「ふん」

晶は中野の脛を軽く蹴り、すぐに唯の後を追って階段を上がった。

ここまで慌てるなんて——よほどのことがある。

三人がたどり着いた二階には、廊下に沿って七、八部屋ほどが並んでいた。だが入っている...

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