第67章 楽しむのを邪魔するのが怖い

「さっきのあの人、あなたの友達でしょ! このまま行っちゃうなんて、よくないんじゃない?」

田中唯は井上俊也に引っ張り出され、その手を振りほどいて彼にそう忠告した。

井上俊也は田中唯に振りほどかれた時、自分が彼女の手首を握っていたことに初めて気づき、思わず耳の根まで赤くなって頭が少しぼーっとなった。

彼女の問いかけを聞き、慌てて答える。

「大丈夫。実を言うと、俺も彼らとはあまり親しくないんだ。ずっと地方で暮らしててさ。今年江城市に来たばかりで、会ったこともない人がほとんどなんだ。彼らと一緒に座ってても、正直気まずくて。君が現れてくれて助かったよ。これで気まずい世間話をしなくて済む」

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