第83章 嫌いな人を見る

鈴木絵里香は頷き、落ち着いた様子で問い返した。「どうかしましたか。他に鈴木という姓の方をご存知で?」

田中唯は気まずそうに顔を赤らめ、説明した。「以前、絵里香姉にお話ししたんですけど、私の夫も鈴木という姓なんです」

「珍しい苗字ではありませんし。何を食べたいか、ご覧になってください」

鈴木絵里香は顔色一つ変えずメニューを差し出し、田中唯に注文を促した。

田中唯はこのレストランに来たことがなく、入った時から他のレストランとはどこか違うと感じていた。今、メニューの値段を見て、ようやくその違いが何だったのかを悟った。

ここは……どうやら……ものすごく高価なようだ。

水一杯だけで千円もす...

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