第9章 酒瓶で彼を殴る勇気

「唯、こんな恥知らずなヤツ相手に、何ぼさっとしてるのよ! やっちゃいなさいよ!」

渡辺静香はそう叫ぶと、そばにあった椅子を振り上げ、高橋雄大に叩きつけた。

「俺を殴る気か?」

椅子をぶつけられた高橋雄大は怒りに燃え、反射的に渡辺静香の顔を平手で打ち据えた。

渡辺静香は殴られ、呆然となった。

高橋雄大はまだ足りないとばかりに、足を上げて渡辺静香の体に蹴りを入れる。

田中唯はその光景を目の当たりにし、一瞬呆気に取られた。

しかし、すぐに我に返ると、どこから湧いてきたのかわからない勇気で、テーブルの上にあったビール瓶を掴み、高橋雄大の頭めがけて振り下ろした。

高橋雄大は田中唯と知り...

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