第10章 直接お礼を言う

藤咲花音はショックを受けただけで、怪我はなかった。気持ちが落ち着くと、桐島翔太に連れられて家に帰った。

翔太は心配してもう一日様子を見るよう勧めたが、花音は断った。

彼女は病院という場所がどうしても好きになれなかった。

「帰るのはいいけど、もし具合が悪くなったらすぐに教えてくれよ」

翔太は念を押した。

花音は承諾した。

家に着いた頃には、すっかり日が暮れていた。

翔太は運転手に事故車を修理に出させ、家政婦の佐藤さんに花音のために精のつく料理を作らせた。

花音は食欲がなく、二口ほど食べて席を立ち、二階へ上がった。

翔太も箸を置き、彼女の後を追った。

二階の寝室。

花音は心...

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