第134章 先に手を出したのは君だ

藤咲花音が病室に戻ると、祖母はすでに眠りに落ちていた。

藤咲花音はそっと布団を掛け直すと、自分の部屋へと戻った。

時計に目をやると、夜の九時を回っている。

彼女は桐島翔太のLINEをブロックリストから外し、メッセージを送信した。

「いつ離婚届を出しに行く?」

しばらく待ってみたが、既読にはなっても返信はない。

藤咲花音は追撃した。

「明後日の午前中なら、休みを取れるわ」

一刻も早く済ませたかった。時間を置けば、また桐島翔太の気が変わるかもしれない。

画面に『入力中』の表示が出る。

長い沈黙の後、ようやく一言『分かった』と返ってきた。

藤咲花音は、彼がまた言い訳を並べて先...

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