第140章 内見

結局、藤咲花音は折れた。

佐々木舞の買い物に付き合うつもりで出かけ、あとで適当な理由をつけて、あのスイートルームは気に入らないと断ればいい――そう自分に言い聞かせたのだ。

佐々木舞は病院に到着すると、わざわざ病室まで上がり、お祖母様のために抱えきれないほどの手土産を広げた。

その愛嬌たっぷりの振る舞いに、お祖母様はすっかり相好を崩し、「孫娘にしたい」とまで言い出す始末だ。

佐々木舞もまた、ニコニコと愛想よくそれに応じている。

病院を出てからも、佐々木舞は藤咲花音に自慢げだった。

「カノン姉さん、お祖母さんが『これからもよく来ておくれ』って。私のこと、すごく気に入ってくれたみたい!...

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