第154章 独断専行

十分後、高領遥かは息を切らして別荘に駆けつけた。

玄関に足を踏み入れた瞬間、待ち構えていた一条愛莉に腕を掴まれ、そのまま桐島征十郎の面前へと引きずり出される。

「桐島社長に説明して! 午後、藤咲花音と別れる前に何があったのかを。彼女は無事に帰ったって、私に報告したじゃない!」

一条愛莉は凄まじい剣幕で詰め寄った。

その様子は、まるで彼女の主張が真実であるかのように迫真に満ちている。

高領遥かは彼女を見つめ、次いで向かいのソファに座る男へと視線を移した。瞳の奥に一瞬だけ異様な光が走ったが、それは瞬く間に冷静さの下へと隠された。

「桐島社長」

彼女は恭しく桐島征十郎に挨拶をした。

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