第161章 お久しぶりです

佐々木隆美は本来なら、顔合わせも兼ねて夕食でも奢ろうと考えていたが、撮影スケジュールが予想以上に過密で、食事の時間すら惜しい状況だった。

結局、一行はスタッフと共にロケ弁を掻き込むことになり、その後すぐ、甘泉勝の指示で藤咲花音はメイクと着替えへと回された。

上品な着物に身を包んだ藤咲花音は、清楚で浮世離れした美しさを漂わせていた。

佐々木舞が目を輝かせる。

「すっごい綺麗! ねえ甘泉監督、役者は足りてるんですか? 私じゃダメ?」

甘泉勝は苦笑した。

「今回は間に合ってるよ。また機会があれば、その時は必ず声をかけるから」

佐々木舞は彼と約束を交わすと、興味津々といった様子で藤咲花...

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