第178章 貪欲に限りなし

「叔父さん!」

桐島征十郎(きりしませいじゅうろう)が車に乗り込もうとしたその時、背後から桐島翔太(きりしましょうた)の声が飛んできた。

その声色に敬意など微塵もなく、あるのはただ、刺々しい敵意と殺気だけだ。

征十郎は片眉を上げ、ドアにかけた手を止めて振り返る。

翔太は猛然と詰め寄り、彼の目の前で立ち止まった。

「葬式に行ったのか?」

征十郎は、甥の疑心暗鬼に満ちた顔を見下ろし、素っ気なく答える。

「……行ったとして、それがどうした」

翔太の顔色が、みるみるうちに険しくなる。

やはりそうか、と言わんばかりだ。

「藤咲花音(ふじさきかのん)に頼まれたのか?」

彼は歯噛みし...

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