第184章 とても綺麗だ

「ちょ、ちょっと待ってください。今、桐島社長に確認しますから」

 長い沈黙の後、受付嬢がようやく絞り出した言葉はそれだった。

 彼女が受話器に手を伸ばしたその時、遠くのエレベーターの扉がゆっくりと開いた。

 ブランドバッグを提げた如月奈々が、中から姿を現す。

「如月秘書! ちょうどいいところに!」

 受付嬢はまるで救いの神にでも出会ったかのように受話器を置き、彼女に向かって声を張り上げた。

「こちらのお嬢さんが桐島グループの方だそうで、社長に用があるとおっしゃるんですが……」

 厄介事を丸投げされた如月奈々は、不機嫌さを隠そうともしなかった。

 昨日手術を受けたばかりで、本来...

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