第187章 足りなければ、まだある

二階、書斎。

藤咲花音と桐島翔太は、ローテーブルを挟んでソファの対面に座っていた。

花音が直接乗り込んできた以上、翔太はもう逃げ隠れできない。観念して二階での話し合いに応じたのだ。

「花音、如月奈々のお腹の子のことだけど……」

翔太はまだ、奈々の妊娠について弁解しようとしていた。

「私には関係ないわ。興味もない」

花音は冷たくその言葉を遮った。

翔太は彼女の表情を窺う。強がりではない。本当に微塵も気にしていないのだ。

それどころか、その話題を出されたこと自体にうんざりしている様子だった。

それに気づいた瞬間、翔太の胸にチクリとした痛みが走る。

花音の心には、もう本当に自分...

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