第19章 桐島翔太、君は酔っている

なぜ考えが変わったのか?

藤咲花音の脳裏に、桐島翔太の裏切りの光景がよぎった。

嫌悪感と同時に、ある種の安堵も覚えた。

まだ手遅れではない。今ならまだ引き返せる。

むしろ桐島翔太に感謝すべきかもしれない。人生における最も重要な教訓を授けてくれたのだから。

どんな時であれ、自分の人生を安易に他人に委ねてはならない。

唯一頼れるのは、自分自身だけだ。

彼女は憑き物が落ちたように口元を緩め、桐島征十郎に微笑みかけた。

「人は、成長していくものですから」

桐島征十郎の視線は彼女の顔に注がれ、その感情の機微を鋭く捉えていた。

だが、藤咲花音自身が語ろうとしない以上、彼もそれ以上追及...

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