第191章 もう一度チャンスをくれ

ホテルの個室にて。

桐島征十郎は、警察局長と向かい合って座っていた。

局長は五十代前半だが、手入れが行き届いており、若々しく精悍(せいかん)に見える。

「まさか、そんなことがあるはずがありません。我々市警は常に規定に則って動いておりますし、理由もなく市民を拘束するなどありえませんよ」

桐島征十郎から藤咲花音の一件を聞かされてもなお、局長は自信満々に潔白を主張した。

桐島征十郎は長い足を優雅に組み、高貴なオーラを漂わせながら口を開く。

「私も市警の誠実な仕事ぶりはずっと信頼しています。おそらく今夜の件は、斉田局長に隠れて、誰かが独断で動いたのでしょう」

その言葉は、斉田局長にとっ...

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