第20章 担当にあなたを指名

桐島翔太の狼狽ぶりは、目に見えて明らかだった。

「花音……」

彼は何かを確かめるように、しどろもどろに口を開く。

「あの子の名前を呼んで、他に何か言ったか? きっと何かの誤解だ……」

藤咲花音はその慌てふためく様を十分に見届けると、ようやくゆっくりと口を開いた。

「あなた、このところずっと病院であの子と一緒におばさんの看病をしてたじゃない。二人のことが心配になるのも無理はないわ」

彼女はあえて、彼に逃げ道を作ってやった。

桐島翔太は安堵の息を漏らした。

「ああ、きっとそうだったんだ。花音、僕の心には君しかいないよ」

藤咲花音は笑みを浮かべたが、その瞳は冷たいままだった。

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