第201章 ルクは君に会いたい

病室に戻るなり、藤咲花音は祖母に腕を掴まれた。

「漢方薬、ちゃんと征十郎さんに渡せたかい?」

つい先ほどまで桐島征十郎と一緒にいた藤咲花音は、祖母の口から彼の名が出ただけで、どくりと心臓が跳ねた。後ろめたさが胸をかすめる。

「う、うん……」

「手渡しできたのかい?」

祖母はさらに追求してくる。

藤咲花音は玄関でわざとゆっくりと靴を脱ぎ、祖母と視線を合わせないように努めた。

「うん、まあ……」

祖母はなおも心配そうに尋ねる。

「征十郎さんは、何か言っていたかね?」

「えっと……お祖母様によろしくって」

藤咲花音は罪悪感に耐えきれず、話題を逸らすことにした。

「私、ちょっ...

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