第213章 ずっと片思い

講堂のエントランス。

藤咲花音が姿を現すと、外にはすでに野次馬根性丸出しの学生たちが群がっていた。

彼らは中に入ることこそできないが、会場内には政財界のVIPたちが集っていることを知っている。

晩餐会がお開きになれば、そうした大物たちがここから出てくるはずだ。

その煌びやかな世界を、遠目から一目だけでも拝みたい――そんな好奇心が彼らを突き動かしていた。

誰かが出てくるのが見えると、群衆の中にどよめきが走った。どこかの大物が現れたと思ったのだろう。

だが数秒後、目を凝らした誰かが藤咲花音だと気づいた。

「おい、あれって……例の学科のマドンナ、藤咲花音じゃないか? 在学中は桐島先輩...

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