第216章 折檻

その口づけは、長く、どこまでも甘く続いた。

ドアを叩く音が響いてようやく、桐島征十郎は名残惜しそうに藤咲花音の唇から離れた。

彼は身を翻し、ドアを開けに向かう。

部下が着替えの服を届けに来たのだ。

桐島征十郎が新しい服を手に戻ってきたとき、藤咲花音はようやく我に返り、乱れた呼吸を整えていた。

彼の手にある服を見て、彼女は掠れた声で注意を促す。

「主治医の先生が、傷口を水で濡らしちゃダメだって言ってたわ」

桐島征十郎の視線が、彼女のまだ湿り気を帯びた唇を滑る。

「着替えないわけにはいかないだろう。でなきゃ、寝ている間に自分の血の臭いで目が覚めてしまいそうだ」

藤咲花音は彼のシ...

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