第217章 思い出した

下の階の病室。

藤咲花音は手に衣服の入った袋を提げ、お祖母様を起こさないよう、抜き足差し足で病室に入った。

だが、ドアを開けた瞬間、眩い光が目に飛び込んできた。リビングの明かりが煌々とついている。

お祖母様が車椅子で寝室から出てきたところだった。

彼女の服装と手元の紙袋を一瞥すると、お祖母様は眉をひそめた。

「ずいぶん遅かったわね。それに服も着替えているじゃないか。まさか、誰かにいじめられたんじゃないのかい?」

藤咲花音はどきりとしながらも、平静を装った。

「先生と話し込んじゃって。その時、うっかりお水をこぼしちゃったの」

お祖母様は心配そうに彼女を見つめる。

「本当に大丈...

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