第221章 残る

如月奈々は、しばらく経っても返信を寄こさなかった。

「答えを急ぐ必要はないわ。ゆっくり考えて」

藤咲花音はそう言い残し、席を立ってその場を後にした。

病院を出たのは、まだ正午を回る前だった。

お抱えの運転手が待機しており、彼女が出てくるのを見つけると、すぐに車を回してくる。

藤咲花音がドアを開け、乗り込もうとしたその時、見知らぬ市内局番から着信があった。

彼女は一瞬動きを止め、通話ボタンを押した。

「もしもし、藤咲さんでしょうか?」

電話の向こうから、礼儀正しい女性の声が聞こえる。

藤咲花音は短く答えた。

「ええ、そうです」

「私、人民病院の主治医です。先日、あなたが倒...

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