第224章 まさか翔太社長だったとは

ハンドルを握る佐々木隆美は、後部座席から聞こえてくる桐島玲子の愚痴に、心の中で深く頷いた。

一方、桐島征十郎はその話題に対して終始冷淡な表情を崩さない。

桐島玲子の言う通り、幼い頃からこのような環境に浸りきっていた彼は、とうの昔に環境と同化し、徹頭徹尾、冷徹な獣そのものになっていたのだ。

ましてや、今の彼は絶対的な勝利を掌握している側の人間だ。

「離婚の件はどうなっている? あのフランス人は承諾したのか?」

彼は漫然と話題を変えた。

桐島玲子の周りには常に愛人が絶えない。一年前、あるフランス人との間に子供ができ、相手の猛烈なアプローチに根負けして結婚したものの、一年も経たずに彼女...

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