第226章 どこを見ている

藤咲花音が部署の人間たちから嫌がらせを受けていると知り、佐々木舞は腹を立てていた。

社員食堂へ向かう道すがら、彼女はずっと同僚たちの悪口を言っている。

「ひどすぎますよ! カノン姉さん、もう辞めちゃいましょうよ! お金なんてどこだって稼げるんだから! 姉さんのことを誰も知らないような零細企業に行きましょう!」

食事を受け取り、席に着いても、佐々木舞の憤りは収まらない。

彼女の夢は、あくせく働かずに気楽に過ごすことだ。どうせダラダラ過ごすなら場所なんてどこでもいい。桐島グループにいて、いつ誰の機嫌を損ねるかとビクビクしながら過ごすよりはずっとマシだ。

藤咲花音は少し躊躇いながら口を開...

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