第227章 彼女に一言伝える

病院の入り口。

一条愛莉は人通りの少ない路肩のベンチに座り、二人の人物が車から降りてくるのを冷ややかな目で見つめていた。

傍らに立つ男が媚びるように言った。

「一条さん、俺の言った通りでしょう? この界隈を毎日うろついてたんですがね、二三日前にも男が彼女を送ってくるのを確かに見たんです。しかもその男、中に入ったきり一晩中出てきませんでしたよ」

男は入り口に停められた流麗で豪奢なベントレーに視線をやり、顎をさすった。

「見たところ、かなり偉そうな人物のようですが……一つだけ確かなのは、あれは桐島翔太社長じゃねえってことです!」

男は、一条愛莉のために藤咲花音の弱みを握ったことに得意...

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