第228章 虚構の情愛

翌日。

藤咲花音は早起きをして、お祖母様と一緒に朝食を少しとった。

「ずいぶんと小食だねえ。どこか具合でも悪いのかい?」

いつもより食べる量が少ないのを見て、お祖母様が心配そうに尋ねる。

藤咲花音は後ろめたさを隠すように笑った。

「今日は社食に私の好きなあんパンが出るんです。お腹を空けておきたくて」

お祖母様は疑うことなく納得したようだった。

藤咲花音は病室をこっそりと抜け出し、上の階にいる桐島征十郎の元へと向かった。

桐島征十郎は普段洋食派だが、藤咲花音に合わせてここ二日ほどはずっと中華を取り寄せさせている。

お祖母様は手術を控えているため、食事はずっと薄味のものばかりだ...

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