第234章 ありがとう、桐島征十郎

一条裕也はその視線の先を追い、一目で彼の腹の内を察した。

「藤咲花音からの連絡待ちか?」

と、彼は尋ねた。

桐島征十郎はようやくスマホから目を離し、彼を一瞥する。

その表情が、すべてを物語っていた。

一条裕也にも多少の良心はある。事態がここまでこじれたのは自分の母親が無関係ではないし、当然、自分にも責任の一端はあると感じていた。

一条裕也は桐島征十郎のスマホに手を伸ばした。

「何を待ってるんだ? こういう時こそ、男なら自分から攻めるべきだろう」

お祖母様が二人の仲を阻んでいる以上、今の藤咲花音の立場を考えれば、関係を続けるべきか迷っているのは明白だ。

ここでお前が動かなけれ...

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