第235章 君たちに申し訳ない

「仕事を、辞める?」

祖母の言葉に、藤咲花音は呆気にとられた。

「お祖母様には分かっているよ。お前が今の仕事で辛い思いをしていることもね。家に帰ってきて無理に明るく振る舞っていても、その瞳には疲れが滲んでいる。私にはお見通しさ」

祖母は静かに続けた。

「そんなに辛い思いをしてまで働くことはないし、お祖母様としても、これ以上お前と桐島社長を関わらせたくないんだ。いっそのこと、今の仕事を辞めて新しいところを探したらどうだい?」

藤咲花音はようやく我に返り、慌てて答えた。

「お祖母様、退職はそう簡単なことじゃないんです。前にも言ったでしょう? ここのお給料は、前の職場の何倍もいいの」

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