第253章 あなたが行かせたんだ

藤咲花音は二人を見送ると、きびすを返して病院へと戻った。

ロビーに足を踏み入れた途端、花子看護師に慌ただしく呼び止められた。

「藤咲さん、どこに行ってたの? スマホ、持ってない? 院長先生が探してるわよ。さっき電話したんだけど、出なかったから」

藤咲花音はポケットを探り、ようやく思い出した。

「お見送りをしていて。スマホは病室に置いたままでした。院長先生、何かご用でしょうか?」

なぜか、胸の奥に重苦しいものを感じた。

「私もよく分からないの。とりあえず、院長室に来てほしいって」

そう言ってから、花子看護師は数秒ためらい、言葉を付け足した。

「お顔の色が少し優れなかったわ。もし...

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